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高市早苗首相が、通常国会の冒頭で衆議院を解散し、早期の総選挙に踏み切る可能性があることが明らかになった。
報道によると、高市首相は自民党幹部に対し、国会召集後まもなく衆議院を解散する案を伝えたとされる。解散が実施された場合、2月上旬から中旬にかけて総選挙が行われる見通しとなる。
政権発足後、内閣支持率が比較的高水準を維持していることから、支持があるうちに選挙を実施し、議席の上積みや党内基盤の強化を狙う判断とみられている。一方で、解散総選挙によって予算審議や関連法案の成立が遅れれば、年度末に向けた財政運営に影響が出る可能性も指摘されている。
現時点で解散時期について公式な発表はなく、最終判断は今後の政治日程や党内調整を踏まえて行われる見通しだ。
出典:Reuters
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補足説明
今回の選挙スケジュールの全体像
現在報じられているシナリオは、次のようなものです。
・1月23日 通常国会が召集
・国会冒頭で衆議院を解散
・2月上旬から中旬に投開票
日本国憲法では、衆議院が解散された場合、40日以内に総選挙を行うことが定められています。
そのため、解散が決まれば、選挙までの時間はほとんどありません。

このスケジュールが「電撃戦」と言われる理由は、野党だけでなく、与党側ですら十分な準備期間を取りにくい点にあります。
特に今回は、政権発足からそれほど時間が経っていない段階での解散観測であり、政治日程としてもかなりタイトです。
施政方針演説が「見送られた」意味
今回の解散観測で特に重要なのが、施政方針演説が見送られた点です。
施政方針演説とは、通常国会の冒頭で総理大臣が行う
「この国会で政府は何を進めるのか」
を説明する、いわば国会運営の前提となる演説です。
通常であれば、
・政策の柱を示す
・予算の考え方を説明する
・これから数か月かけて議論するテーマを提示する
という役割を果たします。
しかし今回は、この施政方針演説を行わない方向で調整されました。

これはつまり、
「この国会で腰を据えて議論するつもりがない」
という強いメッセージでもあります。
数日後に解散する可能性が高い状況で、政策全体を説明する演説を行う意味はほとんどありません。
むしろ、演説内容がそのまま選挙戦の争点になり、リスクになる可能性すらあります。
ここで重要なのは、高市総理が就任以降、異例とも言える高い支持率を維持している点です。
歴代政権では、発足直後をピークに支持率が急落するケースが多い中で、今回の内閣は比較的高水準を保ったまま推移しています。
つまり今回の判断は、支持率が落ちて追い込まれた末の解散ではなく、
「支持がある今のうちに信を問う」という、極めて戦略的な動きと見ることができます。
過去の例を見ても、施政方針演説の見送りは、解散を前提とした行動であるケースが大半です。
今回の解散はどのタイプか
衆議院解散には大きく分けて二つの型があります。
・内閣不信任決議に伴う解散
・内閣の政治判断による解散(いわゆる7条解散)
今回報じられているのは後者です。
政策が行き詰まったからでも、国会が機能不全に陥ったからでもなく、
「今なら勝てる」「今が最も有利だ」という判断に基づく解散です。
支持率が高止まりしている状況であれば、選挙に踏み切るインセンティブは強くなります。
一方で、結果が期待を下回れば、その反動も大きくなります。

なぜ海外がここまで注目しているのか
海外メディアや投資家が注目しているのは、解散そのものよりも、その副作用です。
・予算審議が遅れる可能性
・年度末の財政運営への影響
・政治日程の不透明化による市場の不安定化
特に、予算関連法案が遅れた場合、日本は一時的に財政運営が難しくなるリスクがあります。
支持率が高い状態での解散は国内的には合理的に見えても、海外からは「政治的ギャンブル」として映りやすい側面があります。
次のセクションでは、こうした状況をどう受け止めているのか、海外SNSの反応を見ていきます。
海外の反応
以下はスレッド内のユーザーコメントの抜粋・翻訳です。
少なくとも政治的には相当うまく立ち回っている。
彼女の就任以降、自民党の好感度は大きく上がっているし、ここ数回の選挙で極右に奪われた支持を取り戻せる余地もかなりある。ここで見落とされがちなのは、自民党が最も警戒しているのは中道左派ではなく、極右を黙らせて影響力を削ぐことだという点だ(そもそも中道左派が存在すると言えるかは別として)。
多くの人は逆だと思っているが、自民党が勝てば右からの圧力は弱まる。単独過半数を回復できれば、より右寄りの連立相手である維新を切り離すこともできる。
いや、ちょっと待ってくれ。高市本人が自民党の中でも文字通り極右そのもので、彼女を支えているのは、狂信的な民族主義者になり果てた安倍派の残党だ。
つまり、今の右傾化バンザイ路線の元凶そのものだろ。維新が自民より右なのは疑いようがないが、両党はIRカジノ、五輪と万博、強硬姿勢、排外主義、数々のスキャンダルなどでズブズブに癒着している。
維新が連立に入ろうが出ようが、自民党の極右路線にはほとんど影響しない。
バランスを「普通の保守」や中道右派に戻せる唯一のシナリオは、高市が大失敗することだ。大敗、私的スキャンダル、あるいはまた別の自民党スキャンダルの山。
そのスキャンダル候補として言えば、韓国では統一教会の捜査が進んでおり、過去に教団が自民党議員290人を支援していたという報告もある。資料には高市の名前も何度も出てくる。
さらに、小さな神社からの3000万円献金が、違法すれすれの企業献金の隠れ蓑だった可能性もある。
まあ、いつもの自民党だ。
もう少しニュアンスが必要だ。
高市が議席を減らして自民党が中道に戻るのは、その議席を立憲民主党のようなリベラル政党に奪われた場合だけだ。だが、そんな可能性を本気で信じている人はいない。現実的なのは、参政党のような、より保守的な政党に議席を奪われるケースだ。
それは自民党を中道に引き戻すどころか、さらに右へ押しやる。だから、高市が予想外の大敗を喫した場合、外国人にとってはかなり悪い結果になる可能性が高い。
自民党はかつて、70年分の利権、裏切り、抗争を抱えた「保守の50色」を内包する巨大派閥連合体だった。
それが今や、麻生派という単一派閥と、残り全員が二つに分断された状態だ。
・陰謀論じみた極右(高市とその支持者)
・陰謀論ではないがやはり極右(その他全員、なぜか「リベラル」と呼ばれている)当然、互いに潰し合っている。
安倍政権時代、麻生は財務相・副総理として実質的に政権を操っていた中心人物だった。
安倍後は、
・菅(ただの腰掛け)
・岸田(麻生との決裂で終了)
派閥解消で裏金問題を抑えようとしたが失敗
・石破(国民人気は高かったが麻生に切られて消えた)
・高市(「もうリベラルはダメだ、思い切り右に振れ」枠)今の自民党にあるのは
「彼ら」
「我々」
そして「麻生」だけだ。高市個人の人気は異常に高いが、自民党自体はそうでもない。
党内は分裂し、維新や国民民主の支えなしでは成り立たない。
誰も解散を望んでいない中で、解散を望んでいるのは高市だけだ。
もし支持率が下がり、議席を失い、麻生と決裂すれば、彼女は終わりだ。
そして、その後に残る選択肢は、結局また「リベラル」だけになる。
彼女は「回転ドア首相」の任期を少しでも引き延ばそうとしているだけだ。
できる限りの安直な手を全部使って、党内での延命を図っている。
その通りだ。今の波に乗って議席を増やす必要がある。
日本人はどうせ何も変わらないと分かっていても、結局は自民党に投票する。
だが支持率が落ちれば、すぐに切られる。
外国人叩き路線は、やろうと思えば永遠に続けられる。地元民は喜ぶからな。
反外国人カードは、必ず自分よりさらに狂った相手に利用される。
内閣にいる人間を見れば分かるだろ。
日本の政治は欧米ほどイデオロギー的じゃない。
生活が良くならなければ、人は見限る。
Xやヤフコメを見てみろ。
バズ目的で外国人に絡んでる連中が山ほどいる。
ナショナリズムや排外主義で飯は食えない。
いつになったら有権者は、賃金、年金、医療、物価の話を求めるようになるんだ?
彼女も自民党も、そこには一切興味がない。
歴代首相は(安倍以外)支持率が急落してきた。
だが高市は違う。今のところ高止まりしている。
彼女は「民意」を盾に麻生の望みを全部法制化するため、過半数を狙っている。
これはほぼトランプだ。
トランプが開いた扉から、世界中にポピュリスト指導者が溢れ出した。
外交摩擦、排外主義、円安誘導。
あとは議会襲撃と弾劾があれば、トランプ・ビンゴ完成だ。冗談はさておき、2月に勝てば、数年は外国人にとって厳しい時代になるかもしれない。
この掲示板の空気は異様だ。
中国が台湾海峡を支配することの危険性を理解せず、中国の独占をもっと広げろと言っているように見える。
中国を刺激して、レアアース輸出を制限され、軍需生産が遅れている。
それで年間6600億円の損失だ。強気な言葉を裏付けるカードを、日本は何も持っていない。
高市が「台湾有事は日本の重大事だ」と言っただけで、中国はあらゆる手段で攻撃してきた。
それでも日本は報復していない。それでも日本が信用できないなら、中国に移住すればいい。
日本に来てから、日本人は5%減り、外国人は100%以上増えた。
私が見てきた変化は、排除よりも統合だ。
それでいい。外国人はもっと必要だ。
考察・分析
今回の「通常国会冒頭での解散」観測は、高市政権だけでなく、与野党すべての思惑が交錯する中で浮上してきました。表面的には高支持率を背景にした首相主導の判断に見えますが、実際には党内力学、経済政策のタイミング、野党側の事情が複雑に絡み合っています。
麻生氏は本当に「解散に反対」なのか
一部では、麻生氏が今回の解散構想を事前に知らされていなかった、あるいは不快感を示しているという見方があります。ただし、これを単純に「早期解散に否定的」と受け取るのは正確ではありません。
麻生氏自身は、総理在任時にリーマンショック対応に追われ、解散の機会を逃した経験を持っています。その結果、政権の立て直しが間に合わないまま2009年の総選挙に追い込まれ、大敗を喫しました。この経験から、麻生氏が「打てるときに解散を打つべきだ」という考えを持っていることは、政界ではよく知られています。
今回の焦点は、解散そのものの是非ではなく、
誰が、どの段階で、どこまで共有して決めたのか
というプロセスの問題にあります。解散は首相主導で可能ですが、選挙実務や候補者調整を担う党内実力者との意思疎通が不足したまま進めば、たとえ選挙に勝っても党内に禍根を残す可能性があります。
経済政策の「いちばんおいしい時期」
今回の解散判断を後押ししている要因として、経済政策のタイミングも重要です。
ガソリン減税による価格低下は、政策決定から一定の時間差を経て、家計に実感として表れます。ちょうどこの時期から、
ガソリン代が下がった
物価が少し楽になった
と感じる人が増え始める可能性があります。
一方で、減税に伴う財源問題や制度の歪みなどの副作用が表面化するのは、もう少し先になります。つまり現在は、政策のプラス面だけが有権者に届きやすく、マイナスが見えにくい局面です。
高い支持率を維持している状況と、この「体感としての物価低下」が重なっている点は、早期解散を合理的に見せる材料になっています。
維新:捨て身の「トリプル選挙」戦略
維新に関しては、さらに踏み込んだ動きが浮上しています。
吉村大阪府知事と横山大阪市長が、衆院選に合わせて辞職し、出直し選挙を行う意向を固めたと報じられています。
注目すべきは、今回が知事と市長が入れ替わる「クロス選」ではなく、同じポストに戻る「出直し選」である点です。この場合、当選しても任期は延びず、2027年4月までのままとなります。
つまり維新は、任期延長という実利を捨ててでも、
万博後の大阪のあり方
副首都構想や大阪都構想への再挑戦
という争点で、改めて民意を問う覚悟を選んだことになります。
衆院選、知事選、市長選が同時に行われる「トリプル選挙」となれば、大阪における維新の集票力は最大化されます。これは、全国での議席減の可能性を、大阪での圧勝によって相殺しようとする、極めて攻撃的でリスクの高い戦略です。
この賭けに失敗すれば、維新は看板政策と求心力の両方を一度に失うことになりかねません。
国民民主:成果はあるが、次が見えない
国民民主は、ガソリン減税や、いわゆる178万円の壁をめぐる議論で、与党から一定の譲歩を引き出しました。政策を具体的な成果に結びつけた点は、支持率にプラスに働く可能性があります。
ただし、その先のビジョンが見えにくいという課題もあります。
減税や制度修正の次に何を掲げるのか。
どのような社会像を示すのか。
解散が早まれば早まるほど、この「次の政策」を準備する時間は限られます。結果として、実務能力は評価されても、選挙戦では物語性に欠ける政党と見られるリスクがあります。
公明と立憲は本当に組めるのか
一部では、公明と立憲が選挙協力を模索する可能性も取り沙汰されています。ただし、現実的には高いハードルがあります。
公明は長年、自民と連立を組み、地方組織もその前提で築かれてきました。地方レベルでは、自民との協力関係が生活や選挙実務に深く根付いており、短期間で協力相手を切り替えるのは容易ではありません。
立憲側も、与党批判の軸足をどこに置くのか、維新や国民民主との距離をどう取るのかという問題を抱えています。冒頭解散は、野党側にとって準備不足のまま選挙戦に突入させられる展開になりやすいと言えます。
総括:この解散は「勝負」ではなく「賭け」
ここまで整理すると、今回の解散観測は次のように位置づけられます。
支持率の高さと経済政策の追い風が重なっている点では、確かに打ち時に見えます。麻生氏を含む党内実力者も、理念としては早期解散を否定しにくい立場にあります。維新や国民民主にも、それぞれの事情から追い風があります。
一方で、党内調整の粗さ、財政運営のリスク、選挙後の連立や国会運営の不安定さといった不確実要素も同時に抱えています。
今回の解散は、単に勝てるか負けるかという勝負ではありません。
勝ったあとに、政権を安定して運営できるのか。
この一点を賭けた、長期戦の入口に立つ判断です。
海外の反応が警戒感を帯びているのは、日本の政局そのものよりも、この不確実性の大きさを見ているからでしょう。選挙結果以上に、その後の国会運営と経済運営が、この判断の成否を決めることになります。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう。
関連書籍紹介
1.『国力研究 日本列島を、強く豊かに。』(高市早苗 編著)
今回の解散報道で、海外からは「ナショナリスト」「ポピュリスト」というレッテルを貼られがちな高市氏ですが、本人が実際に何を考えているのかを一次情報で確認するための一冊です。
首相就任前(2024年)に出版された本書には、現在の政権運営のベースとなっている「国力強化」のビジョンが詳細に記されています。 単なる精神論的な保守思想ではなく、エネルギー、食料、サイバーセキュリティを含めた徹底的な「経済安全保障」など、彼女が描く日本のグランドデザインを知ることで、これからの市場の動きや政策を予測する解像度が格段に上がります。
2.『昭和16年夏の敗戦』(猪瀬直樹 著)
今回の解散劇で懸念されている「予算(兵站)の成立を遅らせてでも、選挙(政治的勝利)を優先する」という意思決定プロセスを、歴史的視点から読み解くノンフィクションです。
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参考リンク
・Japan PM Takaichi conveys plan to dissolve lower house, party executive says
・Japan may face its own fiscal cliff if Takaichi calls early election


