【海外の反応】米7月CPI、総合は横ばいもコアが上振れ 関税影響で物価圧力続く

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米労働統計局が発表した2025年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で+2.7%と、6月と同水準を維持した。ガソリン価格の下落や食品価格の横ばいが全体の伸びを抑え、市場予想の+2.8%をわずかに下回った。一方で、食品とエネルギーを除くコアCPIは+3.1%に上昇し、6月の+2.9%から加速。過去6か月で最も高い伸びとなった。背景には住宅費や医療、サービス関連の価格上昇があり、インフレの粘着性が浮き彫りとなっている。

この結果、FRBが秋以降に予定されていた利下げを実施できるかどうかは不透明感を増している。エネルギー価格の落ち着きが全体のCPIを抑制しているものの、基調的なインフレ圧力が依然として根強く、金融政策判断を難しくしている状況だ。

出典:Reuters Comerica


補足説明

今回の発表で注目されたのは、総合CPIが横ばいであった一方、基調的な動きを示すコアCPIが上昇した点です。ガソリンや食料といった変動の大きい品目は落ち着きを見せる一方で、住宅費や医療、サービス価格が押し上げ要因となり、インフレ圧力の根強さが浮き彫りとなりました。

その結果、FRBが秋以降に予定されていた利下げを実施できるかどうかは従来以上に不透明となっています。利下げは景気を下支えする効果がある反面、インフレ再燃のリスクを伴うため、市場関係者も判断を慎重に見極めています。

さらに、トランプ政権の関税政策も大きな不確実性を生んでいます。輸入品への追加関税は短期的には物価を押し上げる一方で、消費を冷やし需要を抑える効果もあるため、経済への影響は複雑で見通しづらい状況です。

また、FRB議長ジェローム・パウエル(Jpow)への言及も目立ちます。金融政策は理事会の多数決で決まるためパウエル一人で決定できるわけではありませんが、市場や世論からは「利下げに踏み切るのか」「政治的圧力にどう対応するのか」という点で強く注目されています。特にトランプ大統領からの利下げ圧力が続く中で、FRBが独立性を保てるかどうかは、ドルへの信認や国際的な評価にも直結する重要な論点となっています。

こうした背景を踏まえると、今回のCPI発表は単なる物価統計にとどまらず、米国経済の先行きやFRBの独立性をめぐる試金石として位置づけられているのです


海外の反応

Jpow is in danger
パウエル議長が危ういな。


Yeah. But core still going up still means the wait and see approach is likely prudent.
PCE later this month will be interesting.
そうだな。でもコアがまだ上昇してるってことは、慎重に様子を見るのが妥当だろう。
今月後半に出るPCEが注目だな。


Jpow dont do a rate cut. Goddam, all of the us economy stands on your shoulders.
パウエル、利下げなんてするなよ。頼む、アメリカ経済全体がお前の肩にかかってるんだぞ。


Why? Both Janet Yellen and Larry Summers have said a rate cut in September is prudent.
なんで?ジャネット・イエレンもラリー・サマーズも9月の利下げが妥当だって言ってるじゃないか。


Markets also expect both a 25 basis point cut in September and 2.46% average annual inflation over the next 5 years. So, the Fed seems to have a little wiggle room to make a small rate cut while keeping inflation expectations moderate. Sadly actual inflation depends a lot on Trump’s trade policy, which is still very unclear.
市場も9月に0.25%の利下げと、今後5年間で平均2.46%のインフレを織り込んでる。だからFRBには、小幅な利下げをしてもインフレ期待を安定させたまま余地が少しあるんだ。残念ながら実際のインフレはトランプの通商政策次第で、大きく左右されるけどな。


Inflation never really reached the target, and with tariff rates starting to settle for the long run plus inventory drawing down over the past six months, there is a pretty substantial risk of inflation rushing back. A rate cut probably makes more sense (actual labor market issues versus potential inflation issues) but I think it would be funny if the Board kept rates the same because it would make everyone I don’t like mad.
インフレは結局ターゲットに届かなかったし、関税率が長期的に固定化し始めて、ここ6か月で在庫も減ってるから、インフレが再燃するリスクは結構ある。利下げの方が理屈には合ってると思う(実際の労働市場問題 vs 潜在的なインフレ懸念)けど、もし理事会が金利を据え置いたら、俺の嫌いな連中がみんな怒るから、それはそれで面白いと思うわ。


That’s an appeal to authority. Two people saying to cut rates isn’t a reason to cut rates.
それは権威への訴えだろ。2人が利下げって言ったからって、利下げの理由にはならない。


Then 99% of the shit in this sub is an appeal to authority. I thought we were the “trust the experts” group, or at least the “listen to the experts” group.
But yes, personally I’d like to see rates go up until the housing market crashes. But that probably can’t be done without breaking the labor market.
じゃあ、この板の投稿の99%は権威への訴えってことになるな。俺はてっきり「専門家を信じる」か、少なくとも「専門家の声を聞く」グループだと思ってたよ。
でも個人的には、住宅市場がクラッシュするまで金利を上げてほしい。でもそれやると労働市場も壊れるだろうな。


The people yearn for inflation.
人々はインフレを待ち望んでいる。


Jpow doesn’t control the fed rate.
パウエルが金利を直接決めてるわけじゃない。


The tariffs are disinflationary, as they are a direct tax on consumption and will reduce overall demand.
While they will elevate the inflation numbers temporarily, they’ll actually reduce inflation in reality.
Powell is in a weird spot though, because Trump has been threatening the fed to force a drop, and the fed can’t be seen giving into political pressure or people lose faith in the dollar.
関税はデフレ的なんだ。消費への直接課税だから需要全体を減らす。
短期的にはインフレ率を押し上げるように見えるけど、実際にはインフレを抑える。
ただパウエルは厄介な立場だよな。トランプが利下げを迫ってFRBを脅してるけど、FRBが政治圧力に屈したらドルへの信認が失われるからな。


Republicans might pay a price for not standing up to Trump … The timing is important Powell term ends in August next year short term economic turmoil caused by this very much is an issue they can’t rely on goldfish brains of the median voter.
共和党はトランプに立ち向かわなかった代償を払うかもしれない… ポウエルの任期は来年8月に切れるから、この短期的な経済混乱は大問題だ。中間層の有権者の「金魚の記憶力」に頼るわけにはいかない。


Damn the forecast was almost right on target this month
くそっ、今月の予測はほぼ的中だったな。


Housing prices should be showing more of a downward trend but yikes on housing still at 3.7% somehow
Zillow, Typical home values are expected to drift down slightly in the months ahead, ending 2025 2% below where they started the year. That’s a larger decline than last month’s forecast.
New listings continue to outpace sales, which has brought total inventory up considerably — by about 17% — over last year. Inventory is expected to continue to grow across nearly all metro areas: Inventory is forecast to approach pre-pandemic levels by the end of the year.
Existing home sales are in line to reach 4.16 million by the end 2025, a slight 2.5% improvement over last year.
A big drop from the 6.5 million in 2020 and 5.2 million in the years before COVID
住宅価格はもっと下落傾向を見せるはずなのに、まだ3.7%もあるのは驚きだ。
Zillowによれば、今後数か月で住宅価格は緩やかに下がり、2025年末には年初から2%下がる見通し。これは前月の予測より大きな下落だ。
新規売り出し件数は販売を上回り続けていて、在庫は前年比で約17%も増えた。ほぼ全ての都市圏で在庫はさらに増加し、年末にはパンデミック前の水準に近づくと見込まれている。
既存住宅販売は2025年末までに416万件に達する見込みで、前年比ではわずかに2.5%増。ただし2020年の650万件、コロナ前の520万件と比べれば大幅減だ。


My wife and I close on our first house next week. Not sure if we picked the best possible time to buy or the worst possible time to buy
来週、妻と初めての家を契約するんだ。今が最高のタイミングなのか、最悪のタイミングなのか分からないけどな。


It all comes down to your family finances and job stability. Even in the unlikely event of a crash and ending up with negative equity, it’s only a problem if you can’t afford to hold on to the property.
結局は家庭の経済状況と仕事の安定性次第だよ。クラッシュで不動産価値が下がっても、持ちこたえられるなら問題ない。


I’m hopeful we will be ok if that comes to pass, we both work in healthcare. Just feels like a dicey time to be making a giant purchase that’s going to suck up a large percentage of our income, but we have a lot of cash from wedding gifts right now and I don’t know when else we will have a chance to purchase
そうなっても何とかなると願ってるよ。俺たち二人とも医療関係で働いてるし。ただ、収入の大部分を持っていかれる大きな買い物をするには危なっかしい時期だとは思う。でも今は結婚祝いの現金があるから、買えるチャンスは今しかないかもしれない。


Home prices rarely ever fall substantially. Your mortgage rate will have a bigger impact on your finances. They are more volatile, rising and falling with the economic cycle.
Healthcare is pretty recession-proof. Just refinance at a lower rate during the next recession when the Fed inevitably slashes rates down to zero.
住宅価格は大幅に下がることはめったにない。家計に大きく響くのは住宅ローン金利の方だ。景気循環で上下するからな。
医療業界は不況に強いし、次の景気後退でFRBがまた金利をゼロまで下げる時に借り換えればいいんだよ。


Same bro, closed on our house back at the end of April. Didn’t have a choice though, growing family meant our apartment just didn’t have room anymore lol.
俺も同じだ、4月末に家を買ったよ。選択肢はなかったけどな。家族が増えてアパートが手狭になったから(笑)。


Congrats!
おめでとう!


Congrats on the new purchased!
新居購入おめでとう!


Thank you!
ありがとう!


Don’t ever think of your house as an investment. It’s a place to live first and foremost.
家は投資だなんて考えるなよ。まずは「住む場所」なんだから。


BLS spun up a new tenant rent index back in 2023 … Suggests where CPI-U will move, if OER doesn’t diverge dramatically.
労働統計局(BLS)は2023年に新しい賃貸住宅指数を作ったんだが、2025年第2四半期は前年比で9ポイントも下落してた。これが記録上最大の落ち幅だ(指数は2005年第1四半期から始まっている)。もし帰属家賃(OER)が大きく乖離しなければ、今後のCPI-Uがどう動くかの指標になりそうだ。


Ooh, good find. Saving this.
A confidence interval from -17.1% to -1.5%, too.
おお、いい情報だな。保存しておこう。
信頼区間も -17.1%から -1.5%だし。


Demand higher, supply the same, why price go up?
需要は高い、供給は同じ、なんで価格は上がるんだ?


Supply and demand not in the same places.
需要と供給が同じ場所に存在してないからだよ。


米インフレ動向とFRB利下げ見通しの分析

米インフレ動向と金融政策の行方

7月のCPIは「総合は落ち着き、コアは上昇」という二面性を示しました。ガソリンや食料が物価上昇を抑える一方、住宅・医療・サービスといった基礎的な分野で値上がりが続いています。これはインフレの粘着性を示すものであり、FRBの利下げ判断を難しくする要因です。

特に注目されるのが、トランプ政権による関税政策です。追加関税は短期的に物価を押し上げる可能性がありますが、消費を冷やすことで長期的にはデフレ的な作用をもたらす場合もあります。この二重効果は、FRBが従来以上に政策対応に慎重になる理由の一つです。

利下げ観測と市場のシナリオ

市場では、9月に0.25%の利下げが行われ、その後も年内に複数回の利下げが続くという見方が優勢です。ただし、コアCPIの上振れが継続すれば、利下げの回数や幅は限定的になる可能性が高いとみられます。労働市場の減速や消費者信頼感の悪化が同時に進行すれば、3回程度の利下げも視野に入る一方で、インフレが再燃すれば市場の期待通りには進まないでしょう。

パウエル議長とFRB独立性の試練

今回の発表に関連して、パウエル議長個人への注目も集まっています。金融政策は理事会で決定されるものの、象徴的な存在であるパウエルには「利下げに応じるか」「政治的圧力をどうかわすか」という重責がのしかかっています。特にトランプ政権がFRBに強い利下げ圧力をかけ続けるなかで、中央銀行としての独立性を維持できるかどうかは、市場の信認やドルの安定に直結する問題です。


2025年後半の米経済見通しと金融政策の焦点

今回のCPIは、アメリカ経済が直面する「二重の難題」を映し出しました。総合指標が安定を示す一方で、基盤的なインフレは依然強い。そして通商政策の不確実性が加わり、先行きを読みづらくしています。

米経済の舵取りは、金融政策と通商政策のバランス次第で大きく変動する局面に差し掛かっています。FRBがインフレ抑制と景気下支えの両立を図れるか、そして米中関係を含む国際的な政治要因をどう織り込むかが、2025年後半の最大の焦点となるでしょう。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。



参考リンク

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