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個人投資家でインフルエンサーの田端信太郎氏が、SNS上でメルカリ社員を侮辱したとして、侮辱罪の疑いで東京地方検察庁に書類送検されたことが分かった。警視庁麻布署が3日に発表した。現行の報道によれば、複数のメルカリ社員を相手取り、SNS投稿で名誉を傷つけた疑いが持たれている。
田端氏は「モノ言う株主」「趣味は炎上」として知られており、これまでにもSNSで厳しい批判を繰り返してきた。今回の件では、被害者側の名誉毀損や公序良俗に反する言動があったとの指摘があり、捜査当局が侮辱罪の適用を見極めるための書類送検に至った形だ。
侮辱罪の法律では、相手の名誉を直接的に侵害する発言が対象となり、SNSなど公の場での発信があれば処罰対象になりうる。これまで司法の判断では、発言の内容・方法・相手との関係性・公共性などが注目されてきた。今回、田端氏が果たしてどのような発言をしたのか、被害の程度・意図・発信媒体などが裁判所・検察で検証される見込みである。
出典:ライブドアニュース
補足説明:田端信太郎氏と侮辱罪の背景
時系列の整理
- 2024年末~2025年初め
田端信太郎氏は、自身のSNSアカウントでメルカリ社員を名指ししたり、強い言葉で批判した投稿を繰り返す。 - 2025年春
メルカリ側が「名誉を傷つけられた」として警察に相談・被害届を提出。 - 2025年9月3日
警視庁麻布署が、田端氏を侮辱罪の疑いで書類送検したと発表。刑事事件として検察の判断に委ねられることになった。
田端氏は「炎上マーケティング」で知られる存在だが、株主として企業に物申す立場からの発言と、個人に対する侮辱的表現との境界が問題視されている。
侮辱罪とは?
- 刑法第231条で規定される犯罪。
- 「公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する」と定められている。
- 「名誉毀損罪」との違い
- 名誉毀損罪:事実を摘示(具体的に事実を示すこと)して相手の社会的評価を下げる場合
- 侮辱罪:具体的な事実を挙げずとも、悪口・嘲笑・蔑称などで相手の名誉感情を傷つける場合 - 2022年の法改正で厳罰化され、拘留に加えて「1年以下の懲役または禁錮、30万円以下の罰金」などの可能性が加えられた。背景にはSNS上での誹謗中傷被害が社会問題化したことがある。
書類送検とは?
- 警察が捜査を終えた事件について、容疑者を逮捕せずに検察へ書類を送る手続き。
- 検察がその後、起訴するか不起訴にするかを判断する。
- 書類送検=有罪確定ではなく、あくまで「刑事手続きに入るかどうかの判断を検察に委ねる段階」。
本件の争点
- 批判と侮辱の境界線
株主や一般市民として企業を批判する自由は認められているが、特定の個人に対して侮辱的表現をした場合は処罰対象になる可能性がある。 - 公共性と公益性の有無
経済的・社会的に意味のある批判か、単なる人格攻撃かが法的に区別される。 - SNS時代の影響力
フォロワー数の多いインフルエンサーの発言は拡散力が大きいため、被害の深刻さも増すと判断されやすい。
このように、田端氏の件は「SNSでの発言自由」と「個人の名誉を守る権利」のバランスが問われる事例といえる。
海外の反応
今回紹介する「海外の反応」は、田端信太郎氏の件そのものではなく、ドイツにおける侮辱罪をめぐる議論を扱ったRedditスレッド “Is insulting someone really illegal?” から引用したものです。
田端氏の事案に関しては現時点で海外で直接的に報じられたり、反応が寄せられたりした形跡はありません。そこで、日本の侮辱罪と制度的に近いドイツのケースを取り上げ、海外でどのように「侮辱と表現の自由の境界」が語られているかを紹介しています。
ただし、このRedditの議論は一般的な「侮辱と言論の自由」の関係をめぐるものであり、田端氏のように「株主」という立場から企業に向けた発言という要素は含まれていません。そのため、日本で起きた今回のケースとは前提条件に違いがあることに留意する必要があります。
こうした比較を通じて、日本の事例を国際的な議論の中に位置づけ、理解を深めることを意図しています。
最近見た動画で、ドイツでは一般的な侮辱を公然と、あるいはオンラインで行うと、罰金や場合によっては拘禁刑になる可能性があると説明されていました……。まさかそんなことはないだろうと思ったのですが、念のため確認したくて投稿しました。
ああ、侮辱は犯罪だよ。ただし被害者が告訴しないと警察は動かない。刑罰は軽くて、よほど悪質な侮辱だけが対象。しかも双方が侮辱し合えば処罰されない。
ハーベックを『まぬけ(Schwachkopf)』とか、グローテを『ちん〇(1 Pimmel)』なんて呼ばない方がいいぞ。家宅捜索されるかもしれない。
あるいはヘッケをファシスト呼ばわりするとか……あ、でもあれは裁判所が『合法』と認めたんだったな。真実だから。
※ハーベック、グローテ、ヘッケはいずれもドイツの政治家
真実だと判断したわけじゃない。ただ『表現として許される』と裁定しただけだ。
じゃあ事実だから許されたってことだろ。
裁判所は真偽を判断してない。ただ『現行法の下で表現の自由として守られる』としただけ。つまり誰かにファシスト呼ばわりされても、それ自体は合法ってこと。
ファシスト呼ばわりが違法とされたケースもある(AfD議員がジャーナリストに言って有罪になった例がある)。でもヘッケの場合は『意見として正当』と判断されたんだ。真実かどうかじゃなくてね。
いや、それは妄想だよ。事実かどうかじゃなく、被告が『なぜそう言ったか』を説明できるかが重要。表現の自由は真実かどうかで縛られるわけじゃない。
法律ちゃんと読んだ?基本法5条は『表現の自由も個人の名誉の前で制限される』と書いてある。刑法186条・187条も、名誉を傷つける発言や虚偽を流した場合の刑罰を定めている。
政治家は誰彼かまわず訴えるわけにはいかない。公人は批判に耐えろっていうのが裁判所の立場だ……ただしハーベックは例外らしいけど。
数か月後には、バイエルンの裁判所が『Schwachkopf呼ばわりは合法』と判決を出すだろう。その頃には選挙も終わっていて、家宅捜索を受けた年金暮らしの男性は、弁護士費用しか戻ってこないさ。
記事本文は読んでないが、タイトル自体が大ウソだ。捜索令状は公開されていて、『Schwachkopf』が唯一の理由だった。
実際には、彼が投稿したナチ関連の内容が原因だったんだよ。『Schwachkopf』は右派が被害者ぶるための口実にすぎない。
告訴するには証拠が必要なのか?
ああ、証拠か目撃者が必要だ。なければ単なる言い合いに終わる。
そう、侮辱は犯罪。ただ文脈によっては表現の自由に含まれることもある。とはいえ基本的には侮辱なしで意見を言うべきだ。
ベーメルマンがエルドアンをネタにした詩はどうなった?表現の自由?それとも侮辱?
※ベーメルマンはドイツの風刺芸人で、トルコのエルドアン大統領を侮辱した詩で裁判沙汰になった
検察は不起訴にしたから刑事裁判はなし。ただ民事では負けて、憲法裁判所も訴えを受け付けなかった。
ドイツ憲法は『人間の尊厳は不可侵』で始まる。だから侮辱は犯罪。ただし告訴がなければ起訴されない。
尊厳が不可侵なら、侮辱を違法にして『ドイツ人は打たれ弱い』と見せる法律なんて要らないはず。個人が自分で対応できないと決めつけてないか?
例えば、中指を立てれば最大4,000ユーロの罰金(収入次第)。警官に“Sie”じゃなく“Du”と呼んだだけでも罰金になる場合がある。
ドイツでは表現の自由よりも人間の尊厳が優先される。なぜか?20世紀にその点で大きな問題を経験したからさ。
この法律はバランスが取れていて公平だ。事実に基づく批判は守られるが、ヘイトは止められる。
幼児にだって『悪口を言うな』と教えるだろ。大人が侮辱するのを許す理由はない。
確かに良くない行為だけど、悪いことすべてを犯罪にする必要はない。
侮辱で刑務所に行くわけじゃない。ただ尊厳を守る手段として法律があるのは安心だ。実際にはめったに使われないけどね。
言葉は人を傷つける。殴られなくても有害なんだ。
なんでそんなに打たれ弱いんだ?侮辱ってそんなに深刻なのか?ドイツ全体が子供っぽく見えるぞ。
むしろ侮辱を違法にしているのは良いことだ。国会で政治家が罵り合う必要なんてない。アメリカなら某元大統領は毎日罰金を払ってただろう。これは『打たれ弱い』んじゃなくて尊厳の問題だ。
株主の批判と侮辱罪の境界線
侮辱罪の厳罰化と社会的背景
田端氏の事案を考える上で外せないのが、2022年の刑法改正です。従来、侮辱罪は「拘留または科料」という軽微な処罰にとどまっていました。しかし、SNSでの誹謗中傷を背景に有名人の自殺が社会問題化したことで、懲役刑や罰金刑が導入され、罰則は大幅に強化されました。今回の件は、この改正後の侮辱罪が企業批判という文脈で適用される稀有なケースといえます。
株主の立場と企業統治(コーポレートガバナンス)
株主は企業に対して意見を述べる権利を持ち、建設的な批判はコーポレートガバナンスの一環として尊重されます。ただし、その発言の場は株主総会や適切な制度的チャンネルが想定されています。SNS上で役員を名指しして侮辱的に批判した場合、「株主権の正当な行使」から逸脱し、刑事責任を問われるリスクが高まることを今回の件は示しています。
名誉毀損罪と侮辱罪の違い
日本の刑法では、事実を摘示して社会的評価を下げた場合は「名誉毀損罪」、事実を摘示せずに蔑視する発言は「侮辱罪」と区別されます。今回のケースは「事実を示さずに特定人物を侮辱する表現」と判断されたことがポイントです。SNSでは両者が混同されやすく、この違いを理解することは議論の前提として不可欠です。
SNS時代の影響力と炎上リスク
田端氏のように数多くのフォロワーを持つインフルエンサーは、その発言が瞬時に拡散され、企業や個人の reputational risk(評判リスク)を直撃します。従来の小規模な会話とは異なり、影響力の大きさが「被害の深刻さ」を増幅させ、処罰対象になりやすいと考えられます。また、日本では裁判による制裁だけでなく「炎上」という社会的制裁が並行して働くため、法的責任と社会的責任の二重の圧力が発言者に及ぶ点も見逃せません。
企業広報とレピュテーション管理
企業にとっても今回の事案は示唆に富みます。SNS時代においては、批判と侮辱をどう切り分けるかを社内で明確化し、広報・危機管理の方針を整える必要があります。批判を無視すればガバナンス欠如と批判され、過剰に法的手段を取れば「言論封殺」と反発されるリスクもあるため、企業側の対応力も問われているといえます。
表現の自由と名誉保護の狭間で
田端信太郎氏の件は、株主としての正当な批判と、SNS上での個人に対する侮辱的表現の境界をめぐる新しい論点を突きつけました。侮辱罪の厳罰化を背景に、SNS時代の影響力や炎上文化が交錯し、企業と発言者双方のリスク管理の在り方が改めて問われています。
本件は単なる一個人の問題にとどまらず、日本における「表現の自由」と「個人の名誉・尊厳の保護」のバランスをどうとるか、そして株主と企業の健全な関係をどう築くかを考える大きな分岐点となるでしょう。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
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参考リンク
ライブドアニュース|メルカリ 田端信太郎氏を侮辱罪で刑事告訴
Reddit|Is insulting someone really illegal?
BBC News|Germany free speech and insult laws explained



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