高市内閣発足 自維“閣外協力”で動き出す新体制

ニュース

日本の国会は10月21日、自民党の高市早苗氏を日本初の女性首相として正式に指名した。
長年、保守派の重鎮として知られる高市氏は、同日の首班指名選挙で多数の支持を得て選出された。これにより、日本は近代史上初めて女性が首相の座に就くこととなった。

AP通信は、高市氏を「自民党内の保守的な政治家であり、歴史的な瞬間の中心人物」として紹介。
その就任は、日本政治における女性の地位向上を象徴する出来事として注目を集めている。

出典:
AP News – Sanae Takaichi elected Japan’s first female prime minister


関連記事


補足説明

衆院の首相指名選挙 票数内訳

候補者所属得票数
高市早苗自民党総裁237
野田佳彦立憲民主党代表149
玉木雄一郎国民民主党代表28
斉藤鉄夫公明党代表24
山本太郎れいわ新選組代表9
田村智子共産党委員長8
吉良州司有志・改革の会代表3
神谷宗幣参政党代表3
河村たかし無所属2
松原仁無所属1
百田尚樹日本保守党1
合計465

高市新内閣(2025年10月21日発足)

役職氏名年齢備考
内閣総理大臣高市 早苗64女性初の総理大臣
内閣官房長官木原 稔56再入閣(元防衛相)
外務大臣茂木 敏充70再入閣(元外相)
財務大臣片山 さつき66再入閣(女性閣僚)
総務大臣林 芳正64再入閣(前・官房長官)
文部科学大臣松本 洋平52初入閣
厚生労働大臣上野 賢一郎60初入閣
農林水産大臣鈴木 憲和43初入閣
経済産業大臣赤沢 亮正64再入閣(前・経済再生担当)
国土交通大臣金子 恭之64再入閣(元総務相)
環境大臣石原 宏高61初入閣
防衛大臣小泉 進次郎44再入閣(前・農水相)
デジタル大臣松本 尚63初入閣
経済再生担当大臣城内 実60再入閣(前・経済安保相)
地方創生担当大臣黄川田 仁志55初入閣
経済安全保障担当大臣小野田 紀美42初入閣(女性閣僚)
国家公安委員長赤間 二郎57初入閣
復興大臣牧野 京夫66初入閣
法務大臣平口 洋77初入閣

海外の反応

以下はスレッド内のユーザーコメントの抜粋・翻訳です。


みんな予想してみよう。彼女はどのくらい持つと思う?俺は1年と見る。


いや、1年もたない方に賭ける。


1年以内だろうな。株式市場が近いうちに崩れて、彼女がどっちにしても責任を取らされる。


本当か?じゃあ日経225をショートした方がいいか?


間違いない。Redditの「暴落予想成功率」は1500%超えだからな(皮肉)。


少なくとも最近のフランス首相よりは長く持つだろう。


1年未満か、5年以上か。
もし1年もったら、安倍みたいに長期政権になる可能性もある。どっちになるかは読めない。


彼女の主張は極端すぎるし、自民党内部もすでにバラバラ。
一番残念なのは、「やっぱり女性はリーダーに向かない」って言う人が出ることだ。
本質的には彼女個人や党の問題なのに。


彼女は“スケープゴート”として使われてると思う。
自民党は女性首相を誕生させること自体よりも、失敗したときに「女性だったから」と責任を押し付けられる構図を狙ってる。
おそらくまた1年以内に辞任だろう。


面白くなりそうだ。


円がまた落ちるな🫤


よく分かってないけど、なんで彼女はそんなに物議を醸してるの?教えてほしい。


彼女は安倍の側近で、「アベノミクス」路線を継承すると言われてる。
金融緩和を重視するから利上げは遅く、小幅にとどまる見通し。つまり円安がさらに進む。


「サナエノミクス」は誤解されてるという動画を見た。
面白かったけど、かなり懐疑的な目で見てる。


日本人はアメリカ人より賢いと信じてる。だから長くはもたない。


残念ながら、メディアリテラシーや批判的思考の欠如は日米ほぼ同レベルだよ。


MAGA的な病気が広がってる今、日本がどう対応するか見ものだ。
日本人がアメリカ人と同じぐらい愚かだったら、未来は暗い。


いや、日本人の保守性は歴史的にアメリカより酷いぞ。


アメリカ人は酷いことが起きても半分は戦うけど、日本ではそういう動きが少ないんだよな。


今のアメリカはもう昔のアメリカじゃない。愚かさのレベルが桁違い。
日本は大人しすぎる面もあるけど、アメリカほど馬鹿じゃないと信じたい。


なんでそんなに彼女を嫌うの?


嫌ってるのって、ほとんど日本人以外じゃない?


そうそう。日本人はむしろ盛り上がってる感じ。このスレだけが彼女を叩いてる(笑)


彼女ってハローキティ好きなの?


誰だって好きだろ。


おめでとう。賢く導いてくれることを願うよ。


考察・分析

閣外協力という“新しい形”

今回の政権は「自民+維新」の枠組みですが、実際には閣外協力という形です。
維新は閣僚を出さず、政策面で支える立場を取っています。
表向きは連立のように見えますが、実態は“限定的な協力関係”にとどまり、距離感のある共闘です。

当初、自民党は維新に対して大臣ポストを2つほど打診したものの、維新側はこれを固辞。
あくまで政策面での協力にとどめ、「取り込まれない距離感」を意識したスタンスを貫きました。


公明党なき体制が意味するもの

これまでの自公連立では、公明党が政策の“左ブレーキ”として機能してきました。
防衛・憲法・社会保障などで、公明が慎重論を出すことでバランスが保たれていた面もあります。

しかし今回、その公明が抜けたことで、経済規制の緩和、財政支出の抑制、
憲法改正への前向き姿勢など、政策のベクトルが自民と維新でほぼ一致しました。
この結果、政策決定はスピード感を増す反面、
チェック機能が弱まり、極端な方向に振れやすい危うさも指摘されています。
「迅速かつ大胆」な改革は評価されやすい一方で、
社会的弱者や地域経済への配慮が薄れれば、国民の反発を招くリスクもあります。


初動政策:ガソリンの暫定税率と議員定数削減

高市政権が最初に打ち出すのが、ガソリンの暫定税率廃止です。
臨時国会中の実施を目指す方針で、維新側がかねて主張してきた政策でもあります。
物価高対策としての即効性は高い一方、税収減への対応策が問われることになります。

また、維新が強く求める議員定数削減も焦点です。
特に比例代表の削減を含める案が出ており、これが実現すれば弱小野党にとっては打撃となります。
一方で「身を切る改革」として世論の支持を得やすく、
高市政権としても維新との協力を示す象徴的テーマになりそうです。


消費税と生活支援策

両党の合意文書には、「食料品の消費税を2年間ゼロに」という方針も含まれています。
ただし現時点では実施時期も財源も決まっておらず、今後の協議次第です。
一時的な物価対策として注目されていますが、実現には相応の財政負担が伴います。

経済全体では、財政出動を抑えつつも景気を支えるという、
いわば「緊縮と積極財政の中間路線」を探る展開になると見られます。


総括:加速と揺らぎの両立政権

自公の「安定と抑制」から、自維の「推進と改革」へ。
高市政権の特徴は、政治のスピードが上がる一方で、バランス感覚を失いやすい構造にあります。

維新は“改革”の旗印で協力していますが、閣外の立場である以上、意見の食い違いがあればすぐに距離を取ることも可能です。
つまり、政権の命運は「協力関係の持続性」と「政策の現実性」にかかっています。

ガソリン税、議員定数、消費税。
これらの政策がどこまで実現されるかで、この政権が“短命”か“転換期の象徴”になるかが決まるでしょう。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。



関連書籍紹介

『国力研究 日本列島を、強く豊かに。』

高市早苗 編著(産経新聞出版/2024年8月刊)

自民・維新による新体制が始動し、日本の政治は大きな転換点を迎えました。
その中心に立つ高市早苗首相が、政権構想の“原点”としてまとめたのがこの一冊です。

本書は、高市氏が主宰する政策研究会「日本のチカラ研究会」での議論をもとに、
外交・防衛・経済・情報・技術・宇宙といった多分野にわたる国力強化の戦略を体系的に整理しています。
前駐中国大使の垂秀夫氏や元国家安全保障局次長の兼原信克氏など、実務経験豊富な専門家たちとの対話を通じて、
「日本が国際社会でどう生き残るのか」「自立した経済・防衛体制をどう築くのか」をリアルに描き出します。

現在の政権運営でもキーワードとなっている“技術立国”“経済安全保障”“宇宙政策”などの方向性は、
すでにこの本の中で提示されており、今後の政策を理解するうえでのガイドブック的存在といえるでしょう。

高市政権が何を目指すのか、その思想と設計図を知るために。
今、最も注目すべき一冊です。


『40代政党COO 日本大改革に挑む』

藤田文武 著(ワニブックス/2023年9月刊)

維新の“実務リーダー”として政権に協力する藤田文武・共同代表。
本書は、彼が幹事長時代に掲げた「政党を経営する」という理念を通じて、
政治を“動かす仕組み”の裏側に迫るドキュメントです。

会社員・起業家として培ったマネジメント感覚を、政党運営に持ち込む――。
この発想のもと、藤田氏は「日本大改革プラン」を掲げ、
政策立案から人材育成、組織運営に至るまで、政党を“現場から再構築”しようと試みます。

維新が主張する議員定数削減、ベーシックインカム、地方分権などの原点も、
本書の中に明確なロジックとして示されています。
高市政権との協調・対立を読み解くうえでも、維新の「組織哲学」を理解できる一冊です。


参考リンク

Japan’s Takaichi to order stimulus package, Kyodo reports

Takaichi elected Japan’s premier, shattering glass ceiling with hard-right turn

Japan’s parliament elects Sanae Takaichi as nation’s first female prime minister

Japan’s fractured politics could ensnarl Takaichi’s economic plans

2件のコメント

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です