サントリー新浪会長が辞任 CBDサプリ問題とジャパニーズウイスキー世界的評価への影響

サントリー新浪会長が辞任

サントリーホールディングスは2日、新浪剛史会長が1日付で辞任したと発表した。適法との認識で購入したサプリメントについて、警察から捜査を受けたとの報告が8月22日にあったという。会社側が辞任を説得した形。鳥井信宏社長は記者会見し「世界中のお客様にご心配をおかけして申し訳ない」と陳謝した。

違法性は捜査中であるものの「捜査の結果を待つまでもなく、サプリメントに関する認識を欠いた新浪氏の行為は当社代表取締役会長という要職に堪えないと判断した」という。サプリの種類や入手経路は、捜査が進行中として明らかにしなかった。

出典:Reuters


海外の反応

「For resigning times, make it Suntory time」
「辞任のときは、サントリータイムでいこう」
※サントリータイムとは、サントリーのウイスキー広告キャンペーンのキャッチコピー


「To the Japanese, Niinami is a symbolic figure as a pioneering business leader who reigned with terror, cut employee wages, and advocated steadily raising the consumption tax, so his arrest on drug charges is not surprising.
Perhaps his intimidating attitude was fueled by this.
Japan, which adopted his policies, clearly made an economic mistake, and he followed suit and failed in his own life.
Artificial cannabinoid products are designed to be addictive and euphoric, and all Japanese people know this.
It’s no use saying you didn’t know they were illegal.」
「日本人にとって新浪は象徴的な経営者だ。恐怖で支配し、社員の賃金を削り、消費税の引き上げを主張し続けた人物だから、薬物で逮捕されても驚かない。
おそらくあの威圧的な態度も、こうしたものに支えられていたのだろう。
彼の政策を受け入れた日本は明らかに経済的に間違いを犯し、彼自身も人生で失敗した。
合成カンナビノイドは中毒性や多幸感を狙って作られているし、日本人なら誰でも知っている。
『違法だと知らなかった』なんて言い訳は通じない。」


「Either he’s having an affair or he’s just very shy.」
「浮気してるか、ただ極度に内気なだけだろう」


「The article says they found weed in his home」
「記事には自宅から大麻が見つかったって書いてある」


「Japanese media keeps talking about a “foreign supplement”.」
「日本のメディアは“外国製サプリ”のことばかり言ってる」


「Supplements containing thc according to the article.」
「記事によればTHC入りのサプリだったらしい」


「Wonder who ratted him out.」
「誰が密告したんだろうな」


「or ratted」
「いや、“チクった”ってことだ」


「probably gummis still in the original THC labeled container」
「おそらくTHCとラベルに書かれたままのグミが残ってたんだろう」


「No, I think it was a full spectrum CBD supplement that had a little THC in it. It won’t get you high. I remember a boxer got busted for unknowingly taking something like that before. You can buy them easily online, and a lot of people unintentionally end up “smuggling” an illegal substance into Japan.」
「いや、たぶんフルスペクトラムCBDサプリで、微量のTHCが入ってたんだと思う。ハイにはならないレベルだよ。昔ボクサーが同じようなものを知らずに摂取して処分されたこともあった。ネットで簡単に買えるし、多くの人が意図せず“密輸”状態になってるんだ。」


「Looks like he was set up.」
「ハメられたように見えるな」


「I guess he enjoys those thc gummies!」
「THCグミを楽しんでたんだろうな!」


「If u look carefully on his face, he does look like one on drugs… 」
「顔をよく見ると薬やってる人みたいに見えるな…」


「Lol “drugs” . Chill , it was just THC」
「笑、“ドラッグ”って…落ち着けよ、ただのTHCだろ」


「Maybe he’s sick and isn’t public about it, it seems wild to me that a Japanese person, especially someone in the public eye, would try smuggling something so obviously illegal in Japan.
Maybe there’s a reason」
「病気だけど公表してないのかもな。日本人、特に公人がこんな明らかに違法なものを日本に持ち込もうとするなんて、常識的に考えてありえない。何か理由があるんじゃないか」


「Rich and powerful people think theyre immune. And they generally are, until they piss off other rich and powerful people.」
「金持ちで権力のある人間は、自分は守られてると思い込んでる。実際そうなんだが、同じような連中を怒らせるまではね」


「My guess is he ordered some CBD product that was advertised as THC-free. But commercial THC-free CBD products still contain very small amounts of THC that are beyond the threshold amounts allowable in Japan.」
「おそらく彼は“THCフリー”と宣伝されてたCBD製品を買ったんだろう。でも市販のTHCフリーCBDでも、日本の基準を超える微量のTHCが入っていることがあるんだ」


「23 days in the slam full of psychological torture! Nah thats just for you -n-me」
「23日間、心理的拷問が続く拘置所生活!…いや、それは俺たち一般人だけの話だな」


今回のニュースに対しては、サプリや法的な側面を皮肉交じりに語る声が多く見られましたが、一方でサントリーそのもののブランドや、ジャパニーズウイスキーの世界的な地位に影響が及ぶのではないか、という懸念も共有されています。実際、欧米市場において日本のウイスキーはこの10年で急速に評価を高めており、今回の辞任は単なる企業スキャンダルにとどまらず、国際的なブランドイメージの問題とも結び付けられているのです。


国際的背景と経営分析

事件の経緯と時系列

今回の辞任に至る経緯を整理すると、8月22日に福岡県警が新浪氏の自宅を家宅捜索し、その後、親族が海外から送ったサプリメントを所持していたとして逮捕されました。新浪氏自身は「サプリは自分の手元に届いていない」と述べていますが、9月1日には辞任を表明。違法性が確定していない段階でも、疑義が生じたこと自体が辞任の直接的要因になったのです。

欧米でのジャパニーズウイスキー人気の補強

  • 受賞と評価の裏付け:サントリー「山崎シェリーカスク2013」が2015年に『Whisky Bible』で「ワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、国際的な評価が確立されました。その後も数多くの高級ウイスキーが賞を受賞し、「ジャパニーズウイスキー=高品質」の印象が定着しました。
  • 価格の高騰と希少性:ニューヨークやロンドンのオークションで「響30年」「山崎50年」が高額で取引され、投資対象としても注目されています。希少性そのものがブランド価値を高め、愛好家や投資家を惹きつけています。
  • 供給逼迫:欧米市場での人気急上昇により長期熟成モルトの在庫が不足し、輸入店の棚から日本ウイスキーが消える事態に。これが逆に「希少性の神話」を強化する効果を生みました。

こうした国際的評価と市場環境が相まって、欧米では「ジャパニーズウイスキーを扱うこと自体が一流の証」とされるほどになっています。

新浪剛史会長の貢献

ジャパニーズウイスキーの品質的評価は新浪氏以前から積み重ねられてきたものですが、彼の役割はそのブランドを「世界で売る」ことでした。特に2014年の社長就任後、米ビーム社を買収し、ジムビームなどの海外スピリッツと連携することで欧米市場での強固な販路を構築しました。また、経済同友会代表幹事として政策提言にも携わり、サントリーの枠を超えて日本経済を代表する経営者の一人と見なされる存在でした。

問題となったサプリメントについて

新浪氏が購入したとされるのは、ニューヨークの健康アドバイザーから薦められたCBD(カンナビジオール)サプリメントで、時差ボケの改善を目的に利用を考えていたとされています。CBDは日本国内では合法ですが、海外製品には微量のTHC(向精神作用のある成分)が含まれることがあり、これが日本の基準を超えると違法になります。欧米では合法な製品が、日本では違法とされる点が国際的な規制の差を浮き彫りにしました。実際にサプリのパッケージは新浪氏の手元には届かず、2回目の送付を行った親族が摘発されたことで大きな事件に発展したのです。

非上場・創業家経営の構造的影響

サントリーは非上場の同族企業であり、創業家の影響力が強く働きます。市場への説明責任よりも、ブランド保護と創業家の意向が優先される構造です。新浪氏はサントリー史上初めて外部から招聘された経営者でしたが、その立場は脆弱でした。外部出身のトップは「替えが効く」と見なされやすく、疑惑が浮上した時点で早期の辞任が選択されやすかったのです。もし上場企業であれば、取締役会での調査や株主への説明といったプロセスを経る可能性もありましたが、非上場企業では「疑惑そのものがブランド毀損」と判断され、迅速な交代に直結したと考えられます。


総括と今後の展望

サントリー・新浪剛史会長の辞任は、日本の「責任文化」とグローバル経営の現実が衝突した事例として注目されます。特に以下の点が重要です。

  1. ジャパニーズウイスキーは欧米での品質評価と希少性によって高級ブランドとして確立されました。
  2. 新浪氏の役割は、そのブランドを国際的に広め、収益化へとつなげた点にあります。ビーム買収後の海外展開はその象徴です。
  3. サプリメント問題は、CBDとTHCをめぐる国際的な規制差を浮き彫りにし、グローバル化する日本企業におけるリスク管理の難しさを示しました。
  4. 非上場・同族企業の構造は、ブランド保護を優先するためにトップ交代を迅速に進める傾向があり、外部から招聘された経営者にとって不利に働く面を持ちます。

今回の出来事は、ブランドの成長と社会的信頼を両立させるうえで、経営トップに求められる「透明性」と「慎重さ」の重要性を改めて示すケースとなりました。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。



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