高市政権の改憲論に抗議広がる 憲法9条と日本の安全保障を海外はどう見たか

今回の記事の重要ポイント(三点)

・2026年5月3日の憲法記念日に、改憲派と護憲派がそれぞれ集会を開き、高市早苗首相は改憲派集会にビデオメッセージを寄せた。

・東京・有明では、憲法9条を含む平和憲法を守るよう訴える護憲派の集会やデモが行われ、主催者発表で約5万人が参加したと報じられている。

・憲法9条をめぐる議論は、戦後平和主義を守るかどうかという国内政治の論点に加え、日本が変化する安全保障環境にどう向き合うかという問題にも広がっている。


ニュース

2026年5月3日の憲法記念日に合わせ、東京都内では憲法改正を求める集会と、憲法改正に反対する集会がそれぞれ開かれた。

FNNなどの報道によると、海外訪問中の高市早苗首相は、改憲派の集会にビデオメッセージを寄せ、「国会において決断のための議論を進めていく」と述べ、憲法改正に向けた議論を進める考えを示した。高市首相は、国際情勢や安全保障環境などが憲法施行当時とは大きく変化していると指摘し、憲法は時代の要請に合わせて更新されるべきだと訴えた。

集会には自民党や日本維新の会に加え、国民民主党の玉木雄一郎代表らも参加した。一方、護憲派の集会には立憲民主党などの幹部が登壇し、憲法9条を含む平和憲法を守るべきだと訴えた。

東京・有明の東京臨海広域防災公園では、「つながろう 憲法いかして平和な世界を! 2026憲法大集会」が開かれた。主催者側は、会場に約5万人が集まったとしている。海外メディアのガーディアンも、東京で推定5万人が集まったと報じ、全国各地でもデモが行われたと伝えている。

TBSは、憲法施行から79年となった5月3日に、改憲派と護憲派がそれぞれ集会を開いたと報じた。護憲派側では「平和憲法は世界に誇る日本の宝」とする訴えも紹介されている。


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補足説明

憲法9条の位置づけ

憲法9条は、日本が戦後に掲げてきた平和主義の中心にある条文です。

第1項では、国際紛争を解決する手段としての戦争や武力による威嚇、武力の行使を放棄すると定めています。第2項では、陸海空軍その他の戦力を保持しないこと、国の交戦権を認めないことが書かれています。

この条文は、日本が戦後に軍事国家へ戻らないという意思を示すものとして受け止められてきました。一方で、日本には自衛隊が存在し、近年は防衛費の増額、反撃能力の保有、同盟国との連携強化なども進んでいます。

そのため、9条をめぐる議論は、条文そのものを守るか変えるかだけでなく、現在の防衛政策と憲法の関係をどう整理するかという問題にもつながっています。


憲法記念日に集会が開かれる理由

5月3日は、日本国憲法が施行された日です。1947年5月3日に施行された日本国憲法は、2026年で施行79年を迎えました。

憲法記念日は、毎年、改憲派と護憲派の双方が集会を開き、それぞれの立場を訴える日になっています。改憲派は、時代の変化に合わせて憲法を見直すべきだと主張します。護憲派は、戦後日本の平和主義を支えてきた憲法を守るべきだと訴えます。

2026年の集会が注目された背景には、高市政権が憲法改正への意欲を強めていることがあります。高市首相は、国際情勢や安全保障環境、人口動態などの変化を踏まえ、憲法を時代に合わせて更新すべきだと訴えています。


改憲派が重視する安全保障環境

改憲派が重視しているのは、日本を取り巻く安全保障環境の変化です。

中国は軍事力を拡大し、台湾海峡や東シナ海、南シナ海での活動を強めています。北朝鮮は弾道ミサイル開発を続け、ロシアもウクライナ侵攻以降、国際秩序を揺さぶる存在として見られています。

日本はこれまで、9条を維持しながらも、自衛隊の役割を拡大してきました。防衛費の増額、反撃能力の保有、南西諸島防衛の強化、同盟国との連携拡大などが進んでいます。

改憲派にとって、9条改正はこの現実を憲法上も明確にするための議論です。自衛隊の存在を憲法に明記することで、現実の防衛政策と憲法の間にある曖昧さを減らすべきだという考え方です。


護憲派が警戒する戦後平和主義の後退

護憲派が警戒しているのは、9条改正が日本の戦後平和主義を後退させる可能性です。

9条は、日本が再び戦争をする国にならないという国内外への約束として受け止められてきました。特にアジアの近隣諸国にとって、日本の軍事的拡大には歴史的な警戒感があります。

護憲派にとって、9条は単なる法律上の条文ではなく、戦後日本の国家像そのものに関わるものです。憲法を変えることで、自衛隊の活動範囲がさらに広がり、海外での軍事行動や同盟国の戦争への関与につながるのではないかという不安があります。

そのため、護憲派の反発は、高市政権への政治的な反対だけでなく、日本が戦後に掲げてきた平和国家としての立場を守りたいという意識とも結びついています。


9条を維持しながら防衛力を強めてきた日本

日本の憲法論議を分かりにくくしているのは、9条を維持しながら防衛力を強化してきた現実です。

日本は形式上、戦争放棄と戦力不保持を掲げています。しかし実際には、自衛隊は世界的に見ても高い能力を持つ防衛組織であり、日本の安全保障政策の中心を担っています。

この構造は、長年にわたって「平和憲法」と「現実の防衛政策」の間にねじれを生んできました。改憲派は、このねじれを正面から整理すべきだと考えています。護憲派は、ねじれがあるとしても、9条があるからこそ日本の軍事行動に歯止めがかかってきたと見ています。

ここに、憲法9条をめぐる議論の難しさがあります。防衛力を強める必要性を認める人の中にも、9条改正には慎重な人がいます。一方で、9条を変えなければ現実の安全保障に対応できないと考える人もいます。

2026年の憲法記念日に起きた改憲派と護憲派の対立は、この長年のねじれが改めて表面化したものといえます。


海外の反応

以下はスレッド内のユーザーコメントの抜粋・翻訳です。


この抗議でかなり気になる点の一つは、日本の主要メディアがほとんど無視していることだ。報道されていない。


つまり、NHK、朝日、毎日、共同、東京新聞は、突然「主要メディア」ではなくなったってこと?


報道されなくても、人々の目には入るよ。昨日、大阪駅で大規模な抗議があった。見逃しようがなかった。


SNSには投稿されているけど、主要メディアで取り上げられているのはほんの一部だけだ。


こういう人たちは、今の日本が置かれている地政学的な環境をもう少し現実的に見た方がいい。中国は軍備を急速に拡大し、台湾やフィリピン、日本周辺でも圧力を強めている。さらに、日本が安全保障を依存してきたアメリカも以前ほど安定した後ろ盾とは言い切れなくなっている。
日本が軍事力や同盟を強化するのは侵略のためではなく、抑止のための備えだ。平和を望むなら、平和を唱えるだけでなく、それを守れる力も必要になる。


そのどれも、憲法改正が必要な話ではない。


高市氏が、なぜこの部分の憲法改正をそこまで強く推すのか理解できない。女性天皇、夫婦別姓、同性婚を可能にするための改正はきっぱり拒むのに。
しかも彼女は、現代に合わせるために憲法を改正すると言っている。やれやれだ。さらに、相撲の土俵には上がらない。何やら「伝統」がどうとかで。でも自分の目的に合う時だけ「現代」を持ち出すんだよね。


それは現実に基づいているのではなく、イデオロギーに基づいているからだ。高市氏のような人々は復古主義者で、現行憲法はアメリカに「押し付けられた」ものであり、真の日本の独立、つまり伝統的な日本国家の復元は、今の憲法を取り除いて初めて実現できると考えている。
これをもっと深く理解したいなら、江藤淳の著作を読むといい。


地政学は、20世紀の大半において評判を落とした分野だった。東欧征服を正当化するイデオロギーとして機能したことが示された後、疑似科学に近いものと見なされていた。
1980年代にも、日本人は憲法を支持していた。その時も、ソ連の脅威を理由に憲法改正を求める声があった。明日になれば、また別の脅威が持ち出されるだろう。


ヨーロッパは、ロシアがウクライナに侵攻した時に完全に油断していたという現実の中で生きている。プーチンのような悪質な行動主体が、軍事的な弱さを挑発と見なす世界に、私たちはまだ生きている。
日本はもうアメリカに頼れない。日本が次に、「我々の支援はゼロだ」とか、「大丈夫、同盟国の方がもっと苦しむから」みたいなことを、ヴァンスのような人物から聞かされる立場になるべきなのか?


今の状況では、日本はトランプに防衛をお願いするしかなくなるだろう。アメリカがほぼ一世紀かけて築き上げた世界秩序は、今や傷み、崩れ落ちつつある。大きな変化が来る。


アメリカに頼るのは、もう現実的な選択肢ではない。なぜそれが分からない人がいるのか理解できない。彼らはいつまでも日本を守ってくれるわけじゃない。


日本は再軍備する必要がある。目の前には北朝鮮、中国、ロシアがいる。ハイテク兵器と、数をそろえられるローテク兵器の両方が必要だ。
南西諸島を守るためには空母が必要だ。北朝鮮の潜水艦隊に対抗するためには潜水艦も必要だ。北朝鮮は潜水艦発射型のICBM能力を持ち始めている。ロシアの極東港にもまだ海軍があり、潜水艦も今なお非常に優秀だ。


日本は平和憲法を維持しながら、再軍備することもできる。9条に手を入れると、日本国民の間に不安感を生むだけでなく、日本の近隣諸国に軍拡や反日プロパガンダを加速させる口実を与える。
だからといって、日本が裏側で再軍備を進め、いざという時に備えることができないわけではない。実際、防衛予算が増え続けている今、基本的にはそれが起きている。


そうだね。それに同盟国へ武器を売ることは、同盟国が自衛できる手段を持つことにつながるから、日本自身が防衛に乗り出さなければならない可能性を下げる。こういう平和主義の抗議者たちは、自分たちの立場を十分に考え抜いていないように見える。


日本は平和主義国家のままでも、それを完全に実行できる。日本は世界でも上位の軍事力を持つ国の一つで、今でも多額を費やし、自国を守る能力がある。問題は、望めば「大東亜共栄圏2.0」のようなことをやれる自由裁量を与えてしまうことだ。アジアの強い国々なら日本に対抗できるかもしれないが、東南アジアの多くの国にとっては、日本は容易に存亡に関わる脅威になり得る。


日本は自衛することは認められているよ。ただ、自分から攻撃を始めることができないだけだ。


こういう人たちを見ると、学校教育や主要メディアが人々の考え方に与える影響の大きさを感じる。特に2000年頃までは、9条が日本の平和を守ってきたという見方や、アメリカ・日米同盟への強い不信、中国・北朝鮮・ロシアを脅威として見ない空気がかなり強かった。
21世紀に入ってから世論は少しずつ変わってきたが、それでも当時の見方を引きずり、周辺国のリスクをかなり甘く見る人たちはまだいる。


考察・分析

9条論争が国際安全保障の論点へ広がる背景

憲法9条をめぐる議論は、長く国内政治の対立軸として語られてきました。改憲派は「現実の安全保障環境に合わせるべきだ」と主張し、護憲派は「戦後日本の平和主義を守るべきだ」と訴えてきました。

2026年の憲法記念日に行われた改憲反対デモも、国内では高市政権の改憲姿勢への反発として受け止められています。

現在の9条論争は、国内政治だけでは整理しにくくなっています。中国の軍事的台頭、北朝鮮のミサイル開発、ロシアの行動、台湾有事への警戒、米国への信頼低下が、日本の憲法論議を国際安全保障の問題へ押し広げています。

日本国内では「9条を守るか、変えるか」という形で語られやすい議論が、国際的には「日本は変化した周辺環境の中で、どこまで自国を守る準備をするのか」という問いにもつながっています。


平和主義への共感と防衛力強化を求める現実論

日本の平和憲法は、戦後日本が軍事的拡張を抑え、平和国家としての立場を保ってきた象徴として受け止められてきました。憲法9条は、日本が再び戦争をする国にならないという国内外への約束でもあります。

一方で、中国、北朝鮮、ロシアが日本の近くに存在し、台湾海峡の緊張も高まる中で、平和主義だけで安全を確保できるのかという問いも重みを増しています。ロシアによるウクライナ侵攻は、軍事的な備えの不足が相手に誤った判断を与えかねないという教訓として受け止められています。

日本は平和国家であり続けたい。しかし、その平和を支えてきた国際環境そのものが変化している。

この現実が、9条論争を難しくしています。平和主義は日本の戦後の歩みを支えてきた理念であり続けますが、その理念を守るためにどのような抑止力が必要なのかという問題を避けることはできなくなっています。


米国依存の揺らぎと日本の選択肢

日本の安全保障は、戦後一貫して日米同盟を軸にしてきました。憲法9条の下で自衛隊を持ちながら、米軍の抑止力に大きく依存する形です。

この構造は長く機能してきましたが、近年は米国そのものへの信頼が揺らいでいます。米国の国内政治は不安定化し、同盟国への関与も政権や世論の動きによって変わりやすくなっています。

この不安は、改憲論や防衛力強化論を後押しする材料になります。日本が米国に依存し続けるなら、同盟国の戦略に巻き込まれる不安が残ります。逆に、米国に依存しない道を選ぶなら、日本自身の防衛力や抑止力をどう整えるのかという問題に直面します。

どちらの道にもリスクがあります。だからこそ、9条論争は単に「戦争をする国になるかどうか」という単純な構図では整理できなくなっています。


9条改正が生む抑止力と警戒感

9条改正には、現実の防衛政策と憲法の関係を整理するという意味があります。自衛隊の存在を明記し、日本の防衛体制をより分かりやすくすることで、国内外に対して抑止力を示す効果を期待する意見もあります。

同時に、9条改正は近隣諸国に警戒材料を与える可能性もあります。特に中国や韓国、東南アジアの一部では、日本の軍事的役割拡大に対して歴史的な不安があります。

抑止力を高める政策は、日本国内だけで完結しません。周辺国がそれをどう受け止めるかによって、地域全体の緊張にも影響します。

日本にとって重要なのは、必要な防衛力を整えながら、それが侵略的な意図ではなく、防衛と抑止のためのものだと国際的に説明し続けることです。


9条改正と防衛力強化の違い

日本はすでに、9条を維持しながら防衛力を強化してきました。防衛費の増額、反撃能力の保有、南西諸島防衛の強化、同盟国との連携拡大は、憲法改正が行われていない状態でも進んでいます。

防衛力を強めることと、9条を改正することは必ずしも同じではありません。

改憲派にとっては、現実に存在する自衛隊や防衛政策を憲法上も明確にすることが必要です。護憲派にとっては、9条があるからこそ日本の軍事行動に歯止めがかかり、海外での戦争参加や過度な軍事拡大を防いできたという見方になります。

この違いを整理しないまま議論すると、「防衛力強化に賛成なら改憲に賛成」「改憲に反対なら防衛力強化にも反対」という単純な二分法になりがちです。

実際には、防衛力の強化を認めながら9条改正には慎重な人もいます。逆に、9条を変えることで自衛隊の位置づけを明確にすべきだと考える人もいます。議論の中心にあるのは、防衛の必要性そのものだけでなく、憲法による歯止めをどのように位置づけるかという問題です。


高市政権の改憲論に重なる思想的対立

高市政権の改憲論は、安全保障環境の変化だけで受け止められているわけではありません。戦後憲法を「占領下で作られたもの」と見る保守的な問題意識や、戦後体制そのものを見直したいという考え方とも重ねて見られています。

改憲派の中には、安全保障上の必要性から自衛隊明記を求める人もいれば、戦後憲法の成立過程そのものを問題視し、日本の国家像を作り直すべきだと考える人もいます。

護憲派が警戒しているのは、単に9条の文言変更だけではありません。憲法改正を通じて、戦後日本が積み上げてきた平和主義や個人の権利、権力制限の考え方が後退するのではないかという不安です。

そのため、9条改正をめぐる議論では、安全保障の現実論と、戦後憲法をどう評価するかという思想的対立が重なっています。この二つを切り分けないと、議論は互いの不信感を強めるだけになりやすいです。


平和主義、抑止力、外交をどう両立させるか

日本の課題は、平和主義を捨てるか、防衛力を諦めるかという二択ではありません。

平和国家としての立場を保ちつつ、現実の脅威に備える。自衛隊の能力を高めながら、軍事的拡張と見られないように説明する。米国との同盟を維持しながら、過度な依存を避ける。中国や韓国、東南アジアとの地域信頼を損なわず、台湾有事や北朝鮮問題にも備える。

このすべてを同時に進める必要があります。

9条は、日本の戦後平和主義を象徴する条文です。一方で、9条があるだけで日本の安全が自動的に守られる時代ではなくなっています。防衛力を強化するだけでも、地域の不信感や緊張を抑えられるわけではありません。

必要なのは、理念と現実を切り離さずに考えることです。日本が平和国家であり続けるためには、平和を掲げる言葉、防衛のための能力、同盟国との連携、近隣諸国への説明、外交による緊張緩和を組み合わせる必要があります。

今回の改憲反対デモは、その難しさを改めて示しています。


総括

2026年5月3日の憲法改正反対デモは、高市政権の改憲姿勢に対する国内の反発として行われました。しかし、憲法9条をめぐる議論は、日本国内だけの問題ではなくなっています。

平和憲法を守るべきだという声には、戦後日本が積み上げてきた平和国家としての歩みを重視する考えがあります。一方で、中国、北朝鮮、ロシア、台湾有事、米国の不安定化を前に、日本が今のままで安全を保てるのかという現実的な不安もあります。

9条を変えることと、防衛力を強化することは同じではありません。日本はすでに、9条を維持しながら防衛力を強めてきました。だからこそ、これから問われるのは、条文を変えるかどうかだけではなく、平和主義、抑止力、外交、同盟、地域信頼をどう両立させるかです。

憲法9条の議論は、日本がどのような国であり続けるのかを考える議論でもあります。

変化する国際環境の中で、平和国家としての理念をどう守り、同時に現実の安全をどう確保するのか。今回のデモは、その問いを改めて浮かび上がらせました。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう。


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憲法9条の議論は、日本国内の政治対立だけでなく、中国、北朝鮮、ロシア、台湾有事、日米同盟の揺らぎといった安全保障環境とも結びついています。

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