米中間選挙2026まであと10日、何が変わり、何が変わらないか 物価・戦争・関税と2028年への分岐点【海外の反応・解説】

11月3日の米中間選挙を前に、下院予測は民主党寄り、9月の物価は前年比3.7%上昇。燃料高と関税、議会が替わっても残る大統領権限、2028年への分岐点を海外の反応とあわせて解説します。

今回の記事の重要ポイント(三点)

・11月3日の米中間選挙を前に、選挙予測は下院で民主党寄りへの見直しが続き、アラスカ州の上院選では司法省が、民主党候補が勝った場合に結果の認証を止めるよう州を提訴した。

・有権者の不満の中心は生活費で、9月の消費者物価は前年比3.7%上がり、加速の主因はイラン戦争による燃料高で、関税も不満の一因になっている。

・選挙を前にトランプ政権は燃料対策とイランへの攻撃の自制に動いているが、関税と戦争をめぐる大統領の権限は大きく、議会の多数が入れ替わっても、米国の通商と外交が変わるまでには時間がかかる。


下院予測が民主党寄りに、アラスカでは提訴

11月3日に投票される米中間選挙では、下院の全435議席と、上院100議席のうち35議席が改選される。現在は上下院とも共和党が多数を握っている。

米政治専門紙ザ・ヒルによると、選挙分析のクック・ポリティカル・リポートは10月23日、下院の19選挙区の予測を民主党に有利な方向へ見直した。同リポートは9日と16日にも、民主党寄りの見直しをしている。

AP通信とシカゴ大学NORCが10月8〜12日に行った世論調査では、経済を最も重要な課題の一つに挙げた有権者が85%、生活費を挙げた有権者が84%だった。トランプ大統領の支持率は36%にとどまった。

アラスカ州では司法省が22日(米国時間)、上院選で民主党のメアリー・ペルトラ元下院議員が勝った場合に結果の認証を差し止めるよう求め、州の選挙管理当局を連邦地裁に訴えた。投票用紙に、現職のダン・サリバン上院議員(共和党)と名前の似た候補が載っていることを理由にしている。

トランプ氏は23日、記者団に「やれと言ったのは私だ」と述べた。裁判所の判断は出ていない。


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選挙の情勢と、物価高の背景

民主党は両院とも4議席の上積みが要る

中間選挙は、大統領の任期の折り返しで議会の顔ぶれを決め直す選挙です。下院は共和党218、民主党214で、民主党が多数を取るには差し引きで4議席ほど増やす必要があります。

上院は共和党53に対し、民主党と同党系の無所属が47です。可否が同数になると共和党のバンス副大統領が決着の1票を投じるため、民主党は51議席、つまり4議席の上積みが条件になります。

下院では、選挙予測も、取引で結果を占う予測市場も、民主党の多数を最も可能性の高い結果と見ています。上院は、共和党が強いオハイオやテキサスでも民主党候補が僅差で競る調査があり、行方は読み切れない状態です。どれも確定した議席とは違います。


物価高の中心は燃料、関税も不満の一因

9月の物価を押し上げたのはエネルギーで、1年で約2割上がりました。トラックや農業機械を動かす軽油は10月半ばの時点で1ガロン6ドル台と記録的な高さが続き、食品の値上がりは2%台にとどまっています。

燃料が高い大きな理由は、2月末に始まった米国・イスラエルとイランの戦争です。正式な停戦がないまま、米国はイラン産原油の輸出を海上封鎖で止め、ホルムズ海峡では通航をめぐる応酬が続いています。夏以降は大規模な攻撃が止まっていますが、国際的な原油価格は10月23日に一時1バレル117ドルを超えました。

有権者が物価と結びつけるもう一つの政策が関税です。連邦最高裁は2月、緊急時の経済制裁の法律を使った関税を、大統領の権限を超えると判断しました。政権は別の通商法に切り替えて関税を続けており、関税が生活費に悪いと考える人は8割前後に上るという調査があります。

物価が落ち着かないなか、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月に利上げし、次の会合は投票の1週間前の10月27〜28日です。

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アラスカでは結果の確定が争点に

アラスカ州の上院選は、有権者が候補に順位を付けて投票し、過半数の候補が出るまで下位の票を次の希望に移していく方式です。本選には現職のダン・S・サリバン氏と、名前の似たダン・J・サリバン氏が並び、投票用紙では現職にだけ「共和党登録・現職」の表示があります。

州は6月にダン・J氏を予備選から外そうとしましたが、州の裁判所が取り消し、州最高裁も支持しました。ダン・J氏は民主党とは関係がないと話しています。

司法省の請求は、混乱の影響を調べ終えるまで、ペルトラ氏が勝った場合に限って認証を止めるという条件付きのものです。世論調査ではペルトラ氏が小差で先行し、選挙法の専門家や共和党のマーコウスキー上院議員からは提訴への批判が出ています。


海外の反応

米国の掲示板 r/moderatepolitics(党派を超えた穏やかな議論を掲げる場)では10月14日、9月の物価統計を伝えるCBSニュースの記事が共有されました。

投稿主は、ガソリンが月間の上昇の半分以上を占め、燃料以外にも値上がりが広がっていると要約しています。コメント欄では物価高の原因を関税とイラン戦争に求める声が多く集まり、数字で反論する側には厳しい評価が付いています。そのなかで、統計の読み方や、FRBの次の判断、物価が実際に票を動かすのかをめぐる応酬が続きました。

以下はスレッド内のユーザーコメントの抜粋・翻訳です。


人々が景気に不満な理由を示す決定的な数字は、たしかWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)が出していた。この1年の平均賃金の伸びは3%で、インフレ率は3.7%。物価が賃金を上回る状態がもう6か月続いている。平均ではなく中央値の賃金で見たら、もっと悪い数字になるはずだ。

トランプは関税への執着で、アメリカを自分の手で縛り上げた。しかも政権はいまだにそれを続けている。イラン戦争も最初から支離滅裂に進められた。トランプはどう見ても、短期で勝てると思い込んでいた。アメリカはいまその誤算のツケを払っていて、ここ数週間は戦闘がまた激しくなっている。中間選挙までの残りの期間に、イランがもっと大きな「オクトーバー・サプライズ」(選挙直前に情勢を揺るがす出来事)を仕掛けてこないと誰が言える?


たいていの分析は、パズルの肝心なピースを見落としていると思う。値上がりは、自分では調整しにくいところや、いやでも目につくところで、偏って財布を直撃している。

電気、天然ガス、ガソリン、食料品(全般にだが、ここ数年はひき肉、コーヒー、卵みたいな必需品)は、生活費のど真ん中だ。どれも使う量を減らそうと相当工夫して代わりも探しているけど、ほとんどはゼロにはできない。

スーパーで1人あたりが買う品数が減っているのは、すごく示唆的だと思う。物価のせいで、食べる量を削る方向に人々が向かっている大きな兆候だ。


問題は、関税が「効く」とはどういうことか、誰も合意していないことだ。政権は日によって、互いに矛盾する三つの目的を挙げてきた。製造業を国内に戻すためなのか? より良い貿易協定を結ぶための交渉材料なのか? それとも所得税をずっと置き換えるためのものなのか?

製造業を国内に戻すのが目的なら、企業をその気にさせるために関税を長く続ける必要がある。でも国内の製造業が育つほど、関税収入は減っていく。

ただの交渉材料なら短期で終わるから、製造業が拠点を移す理由はない。新しい協定で関税が消えるから、長期の関税収入も生まれない。

所得税の代わりにするなら、上の二つはどちらも成り立たない。関税を長く残す必要があるから協定は結べないし、収入を取り続けたいから製造業に戻ってきてほしくない。

「成功した関税」の姿は、どれも両立しない。一つの目的が成功しても、残り二つは失敗する。実際には三つとも失敗した。


食料品のインフレ率が5か月連続で下がって1.8%未満になった話は出てこないの?

(「コアの年率は2.4%から2.6%に加速」を引用して)

それでも2021年4月から2026年1月までのどの月よりも低い。

(「ガソリンは9月に9%急騰し、月間上昇分の半分超」を引用して)

まあ、9月前半はね。ガソリンは21日がピークで、中東の石油輸出がほぼ去年の水準に戻ったという報道のあと、もう3週間下がり続けている。


そうだけど、ガソリンは毎年9月から10月にかけて自然に下がるものなんだよ(夏が終わって車の利用が減るのと、冬用のガソリンへの切り替えで)。直近の1週間で見た前年比はまだ40.0%高で、むしろ9月21日の週(39.7%高)よりわずかに高い。5月ごろ(週によって39〜42%高)ともほぼ変わっていない。


一本取られた。

皮肉なのは、来春には何が起きても総合インフレ率が急落すること。燃料高が前年比の「比較元」の側に入るからね。


トランプ政権の振れ幅の大きさを考えたら、それが確実だとは言えないよ。それに、仮にそうなっても、ここまでに失ったお金が戻ってくるわけじゃない。


2週間後にはまた利上げが来る。しかも選挙の直前というタイミングで。


その時点では選挙に何の影響もないと思う。市場はもう織り込み済みだし、実際の利上げの効果が出るには時間がかかる。発表は選挙の1週間前を切ってからだから、まだ表には出てこない。


家計への実際の影響がそんなに早く来ないのは確か。でも「住宅ローン金利は間違いなくさらに上がる」というメッセージは、どう切り取っても与党にとって不運だよ。


自分が甘く見ているのかもしれないけど、もともと共和党に反対票を入れるつもりじゃなかった人が、あの見出しを見て「この先の出費が増える」とまで考えるとは思えない。たいていの人は、スーパーで高い値札を目の前にするまで気にしないものだ。


でも高い値札は、もう目の前にあるんだよ。

インフレ対策でFRBがまた利上げするのを見たら、短期から中期の景気にとってはひどい兆候だ。選挙に向かうこの時期なら、なおさら。

MAGA(トランプ氏の支持層の中核)の熱心な人たちは、たぶん民主党には入れない。でも共和党に投票する熱が湧かなくなって、一部は投票そのものに行かなくなるかもしれない。

それに、インフレを下げてくれると期待してトランプに入れた無党派層は、どう見ても彼の経済運営に乗り気じゃない。インフレが悪化していることを示す指標がまた一つ出れば、民主党に入れに行く動機になりうる。


そうだね。でも、そういう人たちはみんな、すでに目にしている物価高を理由に、もう共和党に反対票を入れるつもりでいると思う。

共和党にとって良い話じゃないのは確かだけど、これで共和党に反対する人が、もともといた人数より増えるとは思わない。


もう一つは、保守派に意見を聞く掲示板 r/AskConservatives で10月23日に立った、アラスカの訴訟についての質問です。質問の書き方は政権に批判的で、保守派とみられる回答者のあいだでも見方が割れました。

以下はスレッド内のユーザーコメントの抜粋・翻訳です。


正しい救済策が何なのかは分からない。でも、相手と同じ名前の別の候補を立てるのは、どう見ても有権者を惑わすための怪しい手口だ。選挙がいつも公正とは限らないと匂わせることすら大罪だと最近決めた党(民主党を指す)は、その選挙を信頼できるものにする努力をあまりしていない。


ミドルネームってものがあってよかったね。裏の狙いがありえないとは言ってない。たいした問題じゃない、と言ってるんだ。名前の違いも、共和党の表示も読み分けられない人がいるなら、悪いけどそれは自分でなんとかしてくれ。


審理されるべき、まっとうな異議申し立てに聞こえる。


それならよかった。アラスカ州最高裁がもう審理済みだ。この件に連邦政府の出る幕はない。


それはどうかな。この人物は要するに民主党が送り込んだ仕込みで、わざと有権者を惑わそうとしているんだから。民主主義の公正さもこれまでだ。


1)この男が民主党の仕込みかどうかなんて、あなたには分からない。負けると思っている選挙に疑いをかけるための、共和党の仕込みかもしれない。

2)大統領が、自分の元個人弁護士がトップを務める司法省に指示して、自分の推す候補以外が勝つのを止めさせる。それで選挙の公正さが高まると思う?


1:いや、分かるよ。上からの組織的な動きじゃないかもしれないけど、民主党員がわざと有権者を惑わせて選挙をぶち壊そうとしているのは間違いない。

2:気にしない。選挙に異議を申し立てることは誰にでも認められている。


1:右派の有名人がそう言っている以外に、何か証拠はある?

2:大統領と司法省はただの「誰か」じゃないし、選挙に異議を申し立てているわけでもない。前もって選挙に細工しようとしているんだ。文字どおり「表なら俺の勝ち、裏ならお前の勝ちは認めない。俺が仕切る調査がお前の勝ちと判断しない限りな」と求めている。

利益相反が見えるかな? その、かなり大きいよ。


1:あの男は、現職と同じミドルネームの頭文字と同じ政党で、投票用紙に名前を載せようとしたんだぞ(投票用紙での表記は「Dan S.」と「Daniel J. Jr.」)。それで仕込みだと思えないなら、何を見ても思えないだろうね。

2:違う。あの男が選挙をぶち壊すことに成功した場合に限って、異議を申し立てるということだ。そうならなければ申し立てる必要もないし、訴える資格があると思う民主党側にも、同じく異議を申し立てる権利がある。

実際以上の大ごとに見せようと、ずいぶん無理をしているように見えるよ。


1)証拠は? リンクは?

2)つまり民主党候補は、ただ勝つだけじゃ足りなくて、別の候補の票を差し引いたうえで勝たなきゃいけないってこと? それも全部、アラスカ州最高裁で争われて退けられた、証明されていない言い分に基づいて。それが公平だと思う? 順位付けの投票なのに? この裁判が何を意味するのか、見ないふりをしているように感じる。


生活費への不満は外交をどこまで動かすか

選挙前に動いたのは燃料、関税はむしろ強化

英国の外交研究機関チャタムハウスのアンドリュー・ペイン氏は、今回の中間選挙について「今年は経済が外交そのものだ」と書いています。同氏が引く複数の調査では、イラン戦争そのものを最重要に挙げる有権者はごく少数でも、戦争が生活費を押し上げたと考える人は8割を超えています。

政権の動きもこの結びつきに沿っています。トランプ氏は10月8日、選挙前にはイランを攻撃しないと投稿し、ロシア産の軽油への制裁も緩めました。政権は軽油の緩和を和平交渉と拘束米国人の解放のためと説明し、ロイターは選挙前の燃料対策がしだいに高くついていると報じています。

23日には駐トルコ大使が週末の攻撃もありうると発言しており、発信は一つにそろっていません。

一方で関税は緩んでいません。政権は日本やEUを含む16の国・地域を対象に不公正な貿易をめぐる調査を進め、半導体などでも新たな関税の余地を残しています。燃料は選挙までに手を打てる項目で、関税は交渉に使い続けたい手段です。

政権の側にも説明があります。関税は日本やEUとの合意を引き出し、判決後も合意の上限は守られているという立場です。トランプ氏は、原油高はイランが選挙前に価格をつり上げようとしているためだと非難しています。燃料高の責任を自国の政策と相手の妨害のどちらに置くかで、同じ数字の読み方が分かれています。


議会を取っても、関税と戦争はすぐ変わらない

同じチャタムハウスのヘザー・ハールバート氏は、有権者が怒っていても関税と戦争はすぐには変わらないと見ています。

関税をかける権限は憲法上は議会にありますが、法律で関税を撤廃しても大統領が拒否権を使えば、覆すには両院の3分の2が必要です。

しかも議会は長年、党を超えて支持される通商政策をまとめられていません。

戦争でも、議会の手段には限りがあります。イラン戦争を止める決議は下院を通りましたが、上院では僅差で否決されてきました。追加の戦費は一度止まり、選挙後に再び採決にかかる見通しですが、議会が進行中の戦争の資金を止め切った例はないと同氏は見ています。

前例は2006年です。ブッシュ政権はイラク戦争への反発で中間選挙に大敗したあと、翌年に増派を決めました。選挙の制約が消えた任期後半のほうが、国際的には混乱を招きうるという見方があります。

逆の道もあります。イランとは仲介国を通じた交渉が続き、ロシア・ウクライナとは11月に交渉団どうしの協議が想定されています。プーチン氏が米中露の首脳会談を持ち出したとも報じられていますが、開催は決まっていません。選挙後に取引を急ぐ可能性と、強硬に戻る可能性は、どちらも開いています。

上院の4議席の計算には、接戦のアラスカも入ります。裁判所が司法省の請求をどう扱うかは、州が結果を確定させる手続きに連邦政府がどこまで関われるかを示す最初の場面になります。


2028年をにらむ両党の路線

共和党では、戦争への距離の取り方が次の大統領選と結びついています。トランプ氏が側近に「JDかマルコか」と尋ねているとロイターが3月に報じ、ホワイトハウスは否定しました。長期の介入に慎重なバンス副大統領と、戦争を強く擁護するルビオ国務長官のどちらに追い風が吹くかは、戦争の行方しだいという分析です。

民主党では、イスラエル支援をめぐって支持層の考えが動いています。7月には下院民主党の半数近くが支援を止める修正案に賛成したとロイターが報じています。修正案は否決されており、党の方針より先に動いているのは支持層と一部の議員です。

生活費の訴えは州や地方の選挙にも広がっています。AIのデータセンターが電気料金や環境に与える負担への反発から、投資家は知事選や電気料金を左右する委員の選挙まで注視しているとロイターは伝えています。


日本に届くのは圧力と見通しにくさ

日本への関税は判決後に組み替えられ、一般の品目は通常の関税と合わせて12.5%と合意の15%より低くなり、自動車は15%のままです。合意の柱の5500億ドルの対米投資は、10月15日の第3弾までで約1190億ドル分の案件が決まりました。

日本総研は7月のレポートで、下院で民主党が多数を取っても議会の制約を受けにくい対外政策がむしろ強硬になる恐れがあり、日本には対米投資の早期の実行を求める圧力が強まる可能性があると見ています。防衛費でも、米国はGDP比3.5%を非公式に求めていると報じられています。

原油の大半を中東から輸入する日本にとって、ホルムズ海峡の通航が不安定な状態が続くかどうかは、燃料と物価に直結します。選挙後の米国が自制に向かうのか、残りの任期で成果を急ぐのか。どちらに転んでも、対米投資と防衛費をめぐる交渉は続きます。

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選挙で変わるもの、変わらないもの

生活費の怒りは、外交の手段の選び方を変える

今回の中間選挙で、米国の有権者は物価の不満を、戦争と関税という外交の選択に結びつけています。政権は選挙を前に燃料の対策を打ち、イランへの攻撃を控えると約束しました。生活費への不満は、すでに政権の手段の選び方に表れています。

一方で関税の強化は続き、議会の多数が入れ替わっても大統領の権限は大きく残ります。選挙の結果は、外交を一気に切り替えるスイッチというより、政権がどの手段を選び、どこまで押し通せるかの重みを変えるものです。

有権者の怒りが外交に届く経路は、燃料のように速いものと、関税や戦争のように遅いものに分かれています。11月3日の結果がその遅い経路をどこまで動かすのかが、日本を含む同盟国にとっての次の2年の付き合い方を決めることになります。

それではまた、次回の記事でお会いしましょう。

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民主主義、格差と分断、人種・民族、ジェンダー・宗教、教育、犯罪と暴力、コミュニティの7つの領域から、社会の分断が深まる現在のアメリカを読み解く平凡社新書です。

今回の記事で扱った、物価への不満や党派対立が選挙の見方を左右する構図を、アメリカ社会の分断という土台から押さえたい読者に向いています。中間選挙の数字の背景にある有権者の足場を、政治制度の外側から見直せます。

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2025年4月の米国の関税発動を「貿易の大ハッキング」と呼び、その背景にある不満の論理を整理して、関税では貿易赤字も産業の復活も実現しにくいと論じる一冊です。日米関税合意直後に書かれた日本語版序文も収録されています。

今回の記事で扱った、関税が物価と選挙の争点になり、議会が替わっても大統領の手段として残りうる点を、通商政策の側から深く確かめたい読者に向いています。関税が政治的には支持され続ける理由を扱う章が、記事の論点に最も近い部分です。


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国内外のニュースを「報道・海外の反応・背景解説」の三層で読み解く個人メディア『せかはん』運営者。2025年8月の開始から1年で300本以上を執筆し、noteフォロワーは2万人。特定の政党・組織に属さず、一次ソースの照合と左右両論の併記を編集の基本にしています。

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